利用者の生活環境に配慮したケアの重要性

都心部、閑静な住宅街、山間部など、様々な地域に介護施設はあります。そのため、その土地によって施設の雰囲気は異なり、利用者の方の生活スタイルにも違いがあるようです。利用者の過ごし方や考え方が地域により異なるということは、介護職の利用者対応も地域によって変わってくる可能性が高いと言えるでしょう。

例えば、具体的な例として、都心や街中で暮らしてきた利用者は、喧騒や人混みにも慣れていて、普段の生活の中でもそういう場に出ることに戸惑いはありません。施設外活動やショッピングなどでも臆することなく、新しい発見を楽しめる方が多いようです。また、閑静な住宅街に住んでいた利用者は、静かな環境を好む傾向にあります。車通りの多い場所や人の声がガヤガヤと聞こえる環境は苦手な場合があるので、穏やかに過ごせるように施設環境に気を配ったり、声かけなどを意識して行う必要があります。

また、広い土地や緑豊かな山間部がある北海道などでは、自然を感じたり、庭仕事や畑仕事が好きな方も多いでしょう。ですから、施設での活動や生活の中に取り入れる運動の中にも自然を感じられるものや植物や野菜を育てるといった作業を設けると、自発的な体の動きを促すことができます

このように、利用者の暮らしてきた地域によって環境は変わります。ですから、介護職として働き、手厚い介護を実践する場合には、利用者の気持ちを理解しながら、声かけやレクリエーションを考えることが大切になります。